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ギター修理こそ難しい

ギターの表面板の割れが、修理されているにも関わらず、
ふたたび割れが進行してしまった楽器を修理しました。
割れ止めが貼られても状況によっては割れが再び進行する事もありますが、
いったい内部はどうなっているのか?状況を知る為にはまずは鏡です。

写真はその時の様子。
ギター内部に小型の鏡を入れて表面板を内側から撮影しましたが
前にされた修理仕事があまりにも杜撰。バスバーという響棒の上に割れ止めが
くっついているし、肝心な割れには一つの割れ止めしか当たっていない。
なぜかニカワが広げられている。


CIMG7318.JPG

割れ止めに針を突き刺した形跡がないので多分、針を使わずに手で固定したとしか
思えないのだが、サウンドホールから手を入れてここまでしか届かないのは最初から
分かっているし、正確な仕事に決してならないのも想像出来るだろうに。
残念ながらこの貼られた割れ止めを取るのはもう容易ではない。


気を取り直して長い針で慎重に鏡を見ながらポイントにあたらしい割れ止めを接着しました。
黒マルの中が新たな割れ止めです。赤マル部分はバスバーに乗っかっている古い割れ止め。

CIMG7322.JPG

エンドブロック付近なので割れ止めを貼るのは難しいのですが、やる気があればこの
くらいは出来るはずです。
もう少し貼りたいところですが、下地に段差があるのと押し込んだ埋木の一部が
あるので無理でした。

決して安い楽器ではないので、こんなにテキトーな仕事をされていたのは残念。

やはりラベルに直した人物の表示は必要なのかな?

修理は難しいので、経験のない人とか、適当な人物に頼むととんでもない事になります。
自分もそうならないように研鑽と精神を鍛えなくては。

ただただ信州の冬の寒さには鍛えられる。

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コメント 4

甲殻類エビスキー

バイオリンでは割れ止めのブロックを削り取ると
目に見えて良い音色になるそうです。
ブロックの替わりに紙(和紙?)を使う方もいるそうですよ。
ギターは気軽に分解できませんしね。
表面板に無意味な部品がくっついているなんて・・・
このギターは裏・横に良材を使っているのに残念ですね。
材料不足の時勢です。
製作も修理も力を尽くして欲しいものです。
by 甲殻類エビスキー (2014-01-27 18:06) 

ファニート

エビスキー様
今回は紙を貼るには遠過ぎました。
和紙を僕もたまに使いますが、ニカワのなじみがでるまで
しっかりと貼らなくてはなりません。
トーレスは五線譜の紙を切ってつかっていますね。

バイオリンはギターにくらべて比較的簡単に分解できるので
うらやましい。



by ファニート (2014-01-27 19:50) 

江都子です。

今年こそ弦を張り替えたいです、と、篠原先生の年賀状に返事を書きました。
アルハンブラをマスターしてしまったら次のお楽しみが無くなる、なんて言い訳です。

購入して20年以上経つとはいえメイドバイ中野サン修理も中野サンなんで、もうネックは反っていませんが、また修理に松本に行かなくては。。。

もしかしたら更に20年後もプロカリテの黒なんか張って綺麗に鳴っていることでしょう。ローズウッドは偉大です。

国語研究所で一緒に働いているイタリア人留学生の女の子が、動画をプレゼントしてくれました。

ブラボーと言ったら笑っていた。ブラバーでしたね。

このごろのポルトガルは、かっこいいのが沢山でてきているようです。私は勝手にP-POPと呼んでいます。

中野さんも密かに好きだと思いますよ!

この動画をYouTubeでチェック:

http://youtu.be/Rmf5_1rB88Y
by 江都子です。 (2014-01-29 22:49) 

etsuko

また直してもらわなくては。

反りは大丈夫なんですけどねぇ。。。
by etsuko (2014-07-27 01:02) 

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