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ブーシェを作る〜5〜

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モザイクと、周囲の飾りを台板にはめ込んで接着しました(表面板ではありません)。
これを台板から外して、表面板に取り付ければ完成です。

すこし先が見えて来たような?



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ブーシェを作る〜4〜

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ロセッタのセンターが完成しました。塗装すればもうすこし色合いが出ます。
残念ながら部分的にずれたものは修正する必要がありそうです。
ただこのデザインはほんのちょっとずれていたほうが、植物としての生きた表現が出来そうです。
まったく図面通りに正確にできていると動きが無くて植物という感じがありません。
オリジナルもずれていたこそ美しい感じがしてます。

奥が深いといえばそうですね。





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ギター修理こそ難しい

ギターの表面板の割れが、修理されているにも関わらず、
ふたたび割れが進行してしまった楽器を修理しました。
割れ止めが貼られても状況によっては割れが再び進行する事もありますが、
いったい内部はどうなっているのか?状況を知る為にはまずは鏡です。

写真はその時の様子。
ギター内部に小型の鏡を入れて表面板を内側から撮影しましたが
前にされた修理仕事があまりにも杜撰。バスバーという響棒の上に割れ止めが
くっついているし、肝心な割れには一つの割れ止めしか当たっていない。
なぜかニカワが広げられている。


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割れ止めに針を突き刺した形跡がないので多分、針を使わずに手で固定したとしか
思えないのだが、サウンドホールから手を入れてここまでしか届かないのは最初から
分かっているし、正確な仕事に決してならないのも想像出来るだろうに。
残念ながらこの貼られた割れ止めを取るのはもう容易ではない。


気を取り直して長い針で慎重に鏡を見ながらポイントにあたらしい割れ止めを接着しました。
黒マルの中が新たな割れ止めです。赤マル部分はバスバーに乗っかっている古い割れ止め。

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エンドブロック付近なので割れ止めを貼るのは難しいのですが、やる気があればこの
くらいは出来るはずです。
もう少し貼りたいところですが、下地に段差があるのと押し込んだ埋木の一部が
あるので無理でした。

決して安い楽器ではないので、こんなにテキトーな仕事をされていたのは残念。

やはりラベルに直した人物の表示は必要なのかな?

修理は難しいので、経験のない人とか、適当な人物に頼むととんでもない事になります。
自分もそうならないように研鑽と精神を鍛えなくては。

ただただ信州の冬の寒さには鍛えられる。

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トーレスのラベルについて2

ロマニリョスの本を再び読んでいたら、ロマニリョス師もこの件は気になったらしく理由の
推測をしていた。
それによると、「製作家の新参者とおもわれたくなかったからだ」と分析されている。
なるほど、現代のように情報が過多の時代とは違うし、アントニオ トーレスなんて
名前はそれほど珍しくもなかっただろう。

ああセビリアに居たあの名工 アントニオの作か!

このフレーズがきっと欲しかったんでしょうね。
僕もオチオチしているともう50歳代になってしまう歳ですが、定年退職後に趣味で製作を
始めた方達とくらべると製作歴は長いけど外見はひよっこ。
髭でもはやして威厳をつけるのもいいよと、髭面の友人は言う。
しかし、髭が伸びないし家族に受けが悪い。
ラベルにエンリケ・ガルシアのような受賞メダルをイメージした絵柄を描き込めば
ちょっとは箔がつくか?
でもあのデザインはお菓子箱のモンドセレクション受賞ラベルに見えなくもないか。
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ところで、ガルシアは尊敬する製作家であるけれど「エンリケ・ガルシアの犯罪」とでも言いたく
なるラベルに関する事例がある。
トーレスのFe17をタレガから預かり、フレット交換等の修理をしたのですが、
修理後、「このギターはエンリケ・ガルシアによって修理された」と自分の
例の受賞ラベル意匠つきのラベルを堂々とトーレスのラベルにかぶさる様に
他人の楽器に貼ったのだ。
しかも敬愛してたであろうトーレスの最高の作に。

スペイン人もカタルーニャ人も押しが強そうです。

 
馬鹿馬鹿しい事を考えているよりもギターのデザインでもしますね。










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トーレスのラベル

トーレスのラベルをよくよく考察すると面白い。

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   直訳編

         ドン・アントニオ デ トーレス
               製作家
           各種ギター セビリアで

            今はここで生きてる
           (あるいは現存する と訳すべきか?)

         アルメリア、 レアル通り 23番

             1882年
          
          ギター番号31番    第2期


ざっとこんな感じ。
セビリアによっぽど思い入れがある。
 
グラナダで修行し、セビリアで開業、故郷のアルメリアでただいま製作中
では駄目なのか?
セビリアはスペインにとって大阪をバルセロナとすると名古屋みたいな位置いやそれ以上だな。
当時はセビリアで一旗揚げたから、セビリアの天才ギター製作家とスペインで
認識されながら失意の中、帰郷したのでわざわざセビリアの事を書いたのか。

『セビリアの理髪師』をもじって『セビリアの製作家』というパロディーか?
それはないか。

それから第二期なんて、書かなくとも。
第一期の作品は想像を超える大作ばかりを製作し結果、生活苦で廃業。
第二期は再開したものの少し仕事を簡素化した事を自認しての
書き込みか??

謙虚なのか?皮肉なのか?自虐的なのか? 
アルメリアとはいえ中心から20分ほどかかるカナニャーダという漁村のような、
路地でイワシを焼くような町に帰ったトーレス。


分からない。
考えればアントニオ デ トーレスという名前はスペインでは
結構いるんじゃないだろうか。かの国で石を投げればアントニオと
マリアばかり。
するとどこのアントニオなのか分かる様に位置情報が多いのか。
ただ同時期の他のスペイン人製作家のラベルにはこれほどの情報記載はあまりない。


70年代から90年代まで電話番号を入れていたギターもあるけど、いつまで通じるのか?

今なら www.Juanitoguitar.com 詳しくはWEBで

とかラベルに書き込んだらどうだろう。

僕はしないけど。


ところで大不況下のスペインから嬉しいニュースがあった。
今年、故郷アルメリアに立派なトーレスを記念したギター館が作られたのだ。
良かった!
以前からあったカニャーダにある昔の工房跡の記念館もそれなりに良かったけど。
あなたの故郷はあなたを忘れなかった。
しかし、あなたの愛したセビリアでは現在トーレスの痕跡等ほとんど無い。

   シナノ(信濃)のギター製作家とでラベルに書こうか。

今夜も眠れない午前2時





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ブーシェを作る〜3〜戦う工房編

あけましておめでとうございます!
もう正月もとっくに過ぎましたが、今年もよろしくお願いします。

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こんな感じで今年も鉋屑と戦っています。
私の工房は「観光ギター工房」ではないのでずうっとこのまま戦場のようなありさまです。
上の写真はちょっと前の染色した薄い板をパターンで接着した材料を切り出して
いる構図です。
今日は

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こんな感じでパターンを組み合わせて

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集めてみました。
指先の荒れが酷いです。寝る前にハンドクリームを塗らなくては。
凍りつく寒さなので今夜はここまで。
明日、接着してみようと思います。




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ブーシェを作る〜2〜

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ヘッド角の違いです。
右からVジョイント、ブーシェ、フラメンコ。
ギターによってヘッドの角度が違うのがわかります。

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ブーシェのヘッドの造形です。この時代の作品はだんだんと製作も熟練されてきている様子
で以前の時代のモデルのナイフで仕上げたようなスロットよりも面に垂直にスロット溝
が掘られています。スロット溝幅が今のほとんどの楽器が15ミリ〜ですが、
ブーシェは13ミリ前後で、弦巻を取り付ける溝の外側の部分は厚めになっています。
ヘッドの大きさはロマニリョス、ハウザー等とくらべて大型です。
スロット幅が狭いので、このままでは弦の巻き方よっては1弦、3弦、4弦、6弦が
ヘッド部分と当たって干渉しますが、オリジナルを再現する為には忠実に製作
することにします。

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ブーシェを作る〜1〜

ブーシェレプリカを製作しています。
本当のブーシェイズムにならいロセッタももちろん自作しますよ。

ブーシェ&アントニオ・マリーン→私

一応(笑)流れがあるのですね。孫弟子になるのかな?
「自称孫弟子」という事にしてください。
誰それの弟子とか胡散臭い話はやめておきますが、
師弟関係を宣伝するならば親方の信条を守るべきだと私は思います。
前説はここまでにします。

今回はよく見られる簡素なロセッタのものではなく、
ドット数の多い、花をあしらったと思われるデザインの
1969年、製作番号127のロセッタ。
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白、茶、黒、赤で構成されている。
繁雑さと困難さで、あまり数がないのでは?

こちらは比較的数が多いロセッタ
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あまり見かけないけど存在するロセッタ

buchet.rosseta.jpg

時間がかかりましたが染色がようやく終わりました。
緑色のものはトーレス用の材です。
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この薄い板を順番に接着してあつめるとロセッタが出来上がります。

天然顔料で染色しているのですが、ゴム手袋をしてもしばらく手先が
様々な色に染まってしまいますので、外出先では手を隠しています。

また足の踏み場がない状態になってしまった。


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冬の松本 [僕だけの松本]

僕だけの松本

今回は常念岳
標高2857mでもっとも美しい姿は松本からではないと見られない。
安曇野からみると姿は別のものになり、他の連なる北アルプスの山々の
一部になってしまう。
冬の雪をかぶった常念岳は市内の至る場所の西の空を神々しく占領している。
きっと古来から、麓のなさけないありさまの人間をわらっているのだろう。
こちらはこちらで、かなわないと思いつつ、時にギラギラと輝く白い峰のように
光ってみたいと思う。
いつかは頂上から、自分の家を双眼鏡で探してみたいものです。

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何かと気ぜわしい年末ですが、ゆったりとお過ごしください。


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初ギター文化館!

ギター文化館へギター製作コンクールの講評を依頼されたので行ってきました。
これまで出向いた事がなかったので丁度良い機会でした。
行けば、製作の事で質問攻めになることは必死。そこで、それならばこちらから
仕掛けようと、弦をはったまま裏板を開けて演奏できるギター構造実験機、
『中野式ギター構造研究機』を持参して出かけました。
参加した人たちがどれほどの感動をしたのか?しなかったのか?不明ですが、
2泊3日おいしいご飯とお酒をいただきました。
八郷(地名)ののんびりとした雰囲気がとても良くて、なにかと長野県産の農作物
と張り合いたがる地元の人達と楽しい時間を過ごさせて頂きました。
来年は皆さんにまた良い知らせとギター製作の世界にもちょっとしたプレゼントが
出来そうです。
それはまだ内緒ですが!!!お楽しみに!!!

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3日目のお別れの時の写真です。 左からそば打ち名人の製作家長瀬さん、
館長の木下さん、東京国際ギターコンクール出場帰りの松永さん、酒灼け顔の私、
ギタリスト大島さん。

また行きます!


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